【HOVERAirをスキー場で使う前に】冬季撮影で気をつけたいポイント

監修:バウンダリ行政書士法人 代表 佐々木 慎太郎
https://boundary.or.jp

雪景色の中でのスキーやスノーボードシーンは、まさに「HOVERAir」の得意分野。
手ぶらで撮影できるからこそ、臨場感あふれる映像が簡単に撮れます。
ただし、冬のスキー場で飛行・撮影する際には 気温・法規制・飛行条件に関する注意が必要です。
ここでは、モデル別に気をつけるポイントを整理しました。

■ HOVERAir X1 Smart を使用する場合


X1 Smartは非常に軽量で持ち運びやすく、屋外でも手軽に撮影できますが、低温環境では使用が推奨されていません。

・使用環境温度:0〜40℃
  ・気温が0℃を下回ると、バッテリー性能が低下し、飛行時間の短縮や突然の電源停止などのリスクが生じる可能性があります。
・撮影前は、屋内で本体とバッテリーを暖めておく のがおすすめです。
・雪の上などで飛ばす際は、離陸・着陸時に雪面との接触を避けるようにしてください。

📸 ポイント: X1 Smartはあくまで軽量カメラガジェット。冬の屋外撮影では無理をせず、安全第一でご使用ください。

■ HOVERAir X1 PRO / PROMAX を使用する場合


X1 PROおよびX1 PROMAXは100gを超えるため、日本の航空法で「無人航空機」として扱われます。
そのため、以下のルールを守る必要があります。

【1】屋外で飛行させる前に機体登録を行いましょう


・屋外で飛行させるためには、DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)というオンラインシステムで機体登録を行い、リモートIDを有効化しなければ飛行させることができません。
・もし機体登録を行わずに屋外で飛行させてしまうと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

【2】飛行が可能な場所の確認 


・スキー場の敷地は私有地であり、施設管理者の許可が必要です。
・一般客がいるエリア(ゲレンデやリフト付近など)では、 他人との接触やプライバシーの問題が発生する恐れがあります。 → 「ドローン飛行禁止」と明示されている場所では絶対に飛ばさないようにしてください。

【3】飛行許可・承認申請が必要なケース

 
・第三者または物件(建物等)から30m未満の距離で飛ばす場合
・目視外飛行(FPVや自動追従で操縦者の視界から外れる場合)
・夜間飛行
・人口集中地区(DID)での飛行
・イベント会場上空での飛行
・空港等周辺での飛行
・地表から150m以上上空での飛行
・緊急用務空域での飛行

これらに該当する場合は「特定飛行」となり、事前に国土交通省への飛行許可申請・承認申請が必要です。機体登録と同じく、DIPS2.0で申請を行います。
飛行許可・承認を取得しないで特定飛行を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

【4】目視外飛行について


HOVERAirは自動追従モードを備えていますが、
操縦者は常に本体の状況を目視で確認できる範囲で操作することが原則です。
雪山や木々の影に隠れると、電波が届きにくくなり制御不能になることもあります。

📸 ポイント:
「目視外追従撮影」は、航空法上は「目視外飛行」にあたる場合があります。
動画撮影の際は、なるべく見通しのよい安全な場所を選びましょう。

【5】「特定飛行」を行う際は飛行計画の通報、飛行日誌の記載を


飛行許可・承認を取得した後、特定飛行を行う前には飛行計画の通報を行わなければいけません。飛行計画の通報とは「いつ、どこで、どんな機体が飛行するのか」周りに知らせることです。こちらもDIPS2.0で通報を行います。

そして特定飛行を行った後は、飛行日誌の記載を行わなければいけません。
飛行日誌は記載する項目が決まっています。
飛行日誌は紙・データ・アプリなど、記載の形式は問いません。

特定飛行前に飛行計画の通報を行わなかった場合は30万円以下の罰金、特定飛行後に飛行日誌に記載すべき事項を記載しない、または虚偽の記載を行った場合は10万円以下の罰金が科される可能性があります。

■ 雪山撮影の安全チェックリスト


✅ 気温が0℃以上であることを確認(X1 Smart)
✅ スキー場や施設管理者から飛行許可を得る
✅ 周囲に人がいない安全な場所で飛行
✅ バッテリー残量・温度を十分に確認
✅ 目視できる範囲で操作
✅ 風が強い日は飛ばさない

■ 最後に


HOVERAirシリーズは、雪山でも新しい視点から思い出を残せる強力なツールです。
しかし「雪」「寒さ」「人の多い場所」など、スキー場特有の条件には十分な配慮が必要です。
安全・法令順守の上で、冬の一瞬を美しく記録してください。

 

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